Wednesday, October 14, 2020 10:33 AM

EUも米へ報復関税可能に WTO仲裁、航空機紛争

 【ジュネーブ、ブリュッセル、ワシントン共同】世界貿易機関(WTO)は13日、米欧の大手航空機メーカーへの補助金を巡る通商紛争で、欧州連合(EU)による年間最大で約39億9000万ドル(約4200億円)分の米国からの物品やサービスに対する報復関税を認める仲裁決定を出した。

 WTOは昨年10月、EUによるエアバスへの補助金を巡り、米国からEUに対する報復関税として年間最大約75億ドルを認定。これを受けて米国は同月、農産品や工業品、航空機などに追加関税を課した。今回は逆に、米国によるボーイングへの補助金に対してEUの報復措置の上限が設定され、EU側も発動が可能となる。

 EU欧州委員会のドムブロフスキス執行副委員長は決定を受けて声明を発表。米国が対EU報復関税をやめ、交渉による問題解決を図ることを提案した。新型コロナウイルス被害からの経済復興やWTO改革にとって報復合戦は「有害」と指摘しつつ、米側の出方次第ではEUも報復関税発動を「不本意ながら余儀なくされる」と訴えた。