Wednesday, October 21, 2020 10:35 AM

太平洋構想実現へ外交展開 首相、東南アジアと連携

 【ジャカルタ共同=篠原雄也】菅義偉首相は21日、インドネシア・ジャカルタで内外記者会見し「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に取り組む考えを表明した。「私自身が首脳外交を展開して東南アジア諸国連合(ASEAN)と緊密に連携する」と強調。新型コロナウイルスの影響を踏まえ、サプライチェーン(部品の供給・調達網)の強靱化を図るとした。

 就任後初の外国訪問となったベトナム、インドネシア両国での首脳会談の成果について説明した。日本とASEANに関し「法の支配、開放性の基本原則の実現を目指している」と指摘。「自由で開かれたインド太平洋」構想はインド太平洋版の北大西洋条約機構(NATO)をつくるものではないとして理解を求めた。

 中国が進出を強める南シナ海情勢に関し、法の支配に逆行する動きが起きており、懸念を持って注視していると表明。元徴用工問題で冷え込む日韓関係について「日本企業の差し押さえ資産が現金化されれば、極めて深刻な状況を招く」と指摘した。