Friday, October 23, 2020 9:57 AM

中国、朝鮮戦争で米けん制 金正恩氏は米中両にらみ

 【北京共同】中国の習近平国家主席は23日、中国軍の朝鮮戦争(1950〜53年)参戦から70周年の記念大会で米国を強くけん制した。対中政策が争点の一つとなっている米大統領選を前に、圧力に屈しない対決姿勢を誇示した。一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は対米非難を控えつつ中朝友好の演出に腐心、米中両にらみの構えを見せている。

 朝鮮戦争は北朝鮮が韓国に攻め込み始まった。だが、習氏は大会での演説で「中国人民が侵略者を打ち負かした」と主張、米国と敵対した中国が大国の地位を獲得するきっかけとなったと位置付けた。米中対立が深刻化する現状と重ね合わせ、国民に長期戦への覚悟を促す狙いもありそうだ。

 米国を念頭に「世界の発展の流れに逆らえば必ずひどい目に遭う」と警告。「強大な軍隊がなければ強大な祖国もない」と述べ、米国に並ぶ軍事力の保持に意欲を見せた。北朝鮮との友好よりも、米国や国内向けのメッセージに力点を置いた。