Wednesday, October 28, 2020 10:43 AM

首相、任命拒否判断変えず 学術会議「多様性を重視」

 菅義偉首相は28日午後、衆院本会議の代表質問で、日本学術会議会員の任命を拒否した判断の変更は「考えていない」と明言した。拒否の詳細な理由説明は避ける一方で、会員の出身や大学に偏りがあり「多様性が大事だということを念頭に私が判断した」と強調。自身が掲げた2050年までの脱炭素社会実現に向けて、原発など原子力を含むあらゆる選択肢を追求すると語った。9月の菅内閣発足後、初の本格論戦がスタートした。

 任命拒否を巡る首相の国会答弁は初めて。学術会議が推薦した105人の名簿について、首相は「詳しく見ていなかった」と説明している。多様性を考慮して判断したとする答弁との整合性が焦点に浮上し、野党は批判を強めた。

 首相は推薦通りの任命義務がないとする立場は「一貫した考え方だ」と強調。任命権を「形式的」だとした1983年の中曽根康弘首相(当時)による国会答弁とも矛盾しないと主張した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備を進める考えも示した。(共同)