Wednesday, October 28, 2020 10:45 AM

シリア停戦、崩壊の危機 トルコ、ロシア空爆を非難

 【カイロ共同】トルコのエルドアン大統領は28日、シリア北西部イドリブ県で26日にあった空爆はロシアの攻撃と断定、「(ロシアが)恒久平和を望んでいない」と非難した。トルコが支援する反体制派はアサド政権側に「大規模な報復」を開始。反体制派の最終拠点、イドリブ県で3月から続く停戦が崩壊の危機にある。

 トルコとロシアはシリアだけでなく、リビア内戦でも敵対する勢力の後ろ盾だ。ナゴルノカラバフ紛争ではトルコがアゼルバイジャンを支援、ロシアはアルメニアと軍事同盟を結んでいる。シリア反体制派元戦闘員の軍事アナリスト、アキディ氏は「ロシアの空爆はトルコへの警告」と指摘、軍事優位性を示す目的で実施したとみる。

 3月の停戦合意後、シリアで大規模な戦闘は収まっていたが、シリア人権監視団(英国)によると今月23日、トルコが実効支配する北部ジャラブルス郊外にロシア軍機が空爆を実施。26日はトルコ国境に近いイドリブ県の戦闘員訓練施設が標的となり70人以上が死亡した。「停戦後で最悪の被害」という。