Wednesday, October 12, 2016 10:16 AM

ファイザー、本社ビル売却へ〜NY市内で移転を計画

 医薬品大手ファイザーは、ニューヨーク市に所有する世界本社ビルを2017年末までに売却し、19年上半期以降に市内のより近代的な施設へ本社を移すと発表した。

 ロイター通信によると、1849年に同市ブルックリン区で創業したファイザーは、1961年からマンハッタン区ミッドタウンにある2棟合わせて約100万平方フィートの現本社ビルに入居している。移転を決めたのは、老朽化したビルの近代化には多額の投資が必要になるため。新しい入居先はまだ決まっていないが、購入せずリースする計画だという。本社従業員の大半は新施設に移るが、一部はNY都市圏の別の場所に配属される可能性もある。

 ファイザーは昨年、しわ取り剤「ボトックス」で知られるアイルランドの医薬品大手アラガンを1600億ドルで買収する計画を発表。実現すれば同社の税法上の拠点が米国より法人税率の低いダブリンとなり、大幅な節税が見込めるはずだったが、財務省が節税目的の合併・買収(M&A)に歯止めをかける新たな規制を発表し、節税効果が見込めなくなったため、ファイザーは16年4月に合併計画を断念した。