Wednesday, November 04, 2020 9:24 AM

核廃絶決議、採択も賛成減 日本提出、禁止条約触れず

 【ジュネーブ共同】国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は3日、日本が27年連続で提出した核兵器廃絶決議を賛成多数で採択した。賛成は昨年より9カ国減って139カ国となり、来年1月に発効する核兵器禁止条約に直接触れない内容となったことも影響したとみられる。反対は5、棄権が33。決議は12月に国連総会で採択される見通し。

 日本の決議案は、2018年まで「核使用による壊滅的な人道上の結末」に「深い懸念」を表明したが、今回は昨年に続き「深い懸念」を記載せず「認識する」と弱めた表現となった。「深い懸念」は核禁止条約の基本理念で、同条約に反発する核保有国を意識したもようだ。被爆者からは「被爆国としての自覚が足りない」など強い不満の声も上がっている。

 決議は核禁止条約には直接触れず「核兵器のない世界の実現へ、さまざまな手法が存在することと、全加盟国の信頼構築が必須であることに留意する」と間接的に言及。「核廃絶に向け現実的手段と効果的措置を取る重要性」を強調した。