Tuesday, November 10, 2020 9:27 AM

欧州各国、医療態勢切迫 一部では感染ピーク越え

 【ベルリン、ブリュッセル共同】ドイツ衛生当局は9日、国内の集中治療病床の新型コロナウイルス患者が3005人と春の流行時期を上回り、過去最多になったと発表した。集中治療病床はコロナの重症患者ケアに不可欠で、空き病床や担当スタッフの数が患者対応の鍵を握る。欧州連合(EU)機関の欧州疾病予防管理センターによると、EU加盟国と英国など欧州31カ国ではこれまでに920万人超が新型コロナに感染。欧州全体で再拡大の勢いは衰えておらず、医療態勢を巡る状況は切迫している。

 一方、ベルギーや隣国オランダでは流行がピークを越え、減少する兆しが出てきた。両国は欧州主要国に先駆け、10月中旬に全飲食店閉店など厳しい措置を導入。ベルギー保健当局は「努力が結実しつつある」と喜ぶ。

 ドイツの集中治療病床は約3万床と世界有数で、春の流行時には重症者を次々と収容、周辺国より死亡率を抑え込んだ。病床のコロナ患者は4月後半の2933人をピークに夏場は200人台にまで減ったが、10月から再び急増。集中治療病床のコロナ患者は過去1カ月で6倍になった。