Thursday, November 12, 2020 9:36 AM

ネットで憎悪拡散、過激化 パリ同時テロ5年脅威続く

 【パリ共同】130人が死亡した2015年のパリ同時多発テロから13日で5年。犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)のシリアの拠点は陥落したが、欧州でテロの脅威は続く。スマートフォンや会員制交流サイト(SNS)の普及で過激思想や憎悪はますます容易に拡散し、誰がテロ犯になり得るか当局も把握しきれない事態となりつつある。

 「この辺りでイスラム過激派の問題はこれまでなかった。ものすごく驚いた」。パリ近郊で10月16日に中学教員を殺害したチェチェン系のアブドゥラフ・アンゾロフ容疑者(18)=警官が射殺=が住んでいたフランス北西部エブルーで10月下旬、近所のアランさん(18)は言葉少なに語った。エブルーはノルマンディー地方の人口5万人に満たない小都市。低中所得世帯向けの住宅は静けさに包まれていた。

 08年から家族とフランスで暮らし、難民と認定されていた容疑者は近くのモスク(イスラム教礼拝所)にほとんど通っていなかった。一方ツイッターでイスラム教に関する投稿を重ね、シリアにいる過激派組織メンバーとSNSでメッセージを交わしていたとされる。