Tuesday, December 01, 2020 9:41 AM

2割負担、週内決定へ調整 公明先送り論、自民紛糾

 75歳以上の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる制度改革を巡り、与党内から線引きとなる所得基準の決定先送り論が浮上した。公明党の山口那津男代表は1日、新型コロナウイルス感染拡大を理由に決定を持ち越すべきだとの考えを表明。自民党では議論が紛糾、具体的な基準を示せない提言をまとめた。政府は4日にも全世代型社会保障検討会議(議長・菅義偉首相)を開き、結論を出したい考えで、与党と詰めの調整に入る。

 山口代表は記者会見で「今年はコロナで大きく実情が変化している。負担をする国民の力が大変弱まっている」と述べ、感染拡大で国民の暮らしが厳しい状況にあると強調した。

 社会保障検討会議は昨年9月に発足し、昨年末に2022年度までに一定の所得のある人を対象に2割に引き上げるとする中間報告をまとめた。高齢化が進み、75歳以上の医療費急増が見込まれる中、医療制度を支える現役世代の負担を和らげることが狙い。山口代表は会見で「コロナ以前の前提で議論してきたことを、今年結論を出すというのはいかがなものか」と強調した。公明党幹部が近く官邸を訪れ、結論先送りを要請する見通し。(共同)