Thursday, October 13, 2016 10:34 AM

全電力会社に保守点検指示 大規模停電で世耕経産相

 東京都内の約58万6000軒に影響が出た大規模停電を受け、世耕弘成経済産業相は13日、全ての電力会社に、老朽化した送電ケーブルの保守点検を指示した。埼玉県警と消防は同日、出火元となった同県新座市の東電の地下施設で実況見分。火災の影響で地下は熱がこもった状態が続き、消火で出た水も多く残っていたため作業は難航し、出火原因の特定には至らなかった。

 東電によると、発火したケーブルは油を染み込ませた紙を巻いて絶縁体にしたもので、敷設は35年前。現在は年に1回の目視検査などをしているが補修や交換をしたことはなかった。東京電力ホールディングスの広瀬直己社長は13日、経産省を訪れ、大規模停電に関し「ご迷惑をお掛けして大変申し訳ない」と謝罪。経産相は、送電線の経年劣化が原因となった可能性に触れ「35年以上同じ物を使い続け、年1回の目視点検では不十分」と指摘した。

 経産相が指示した点検は、北海道から沖縄までの大手電力と電源開発(Jパワー)が対象。送電ケーブルの設置状況などを調べ、1カ月をめどに報告するよう求めた。(共同)