Tuesday, December 08, 2020 9:34 AM

経済重視、73兆円対策 コロナ克服、GoTo延長

 政府は8日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策を閣議決定した。国の予算は約30兆6000億円、民間投資を増やす効果を含めた事業規模は約73兆6000億円で、感染対策のほか消費下支えへ観光支援事業「Go To トラベル」を延長する。防災・減災の国土強靱化の新たな費用に加え、菅義偉首相が掲げる脱炭素化や大学の研究開発に巨額の基金を設け、規模が膨らんだ。経済に軸足を置いた対策で、足元の感染者急増に迅速に対応できるかどうかが課題となる。

 2020年度第1次、第2次補正予算での各117兆円超の規模に続く3回目の対策となる。21年度中に「コロナ前の経済水準に回帰させ、民需主導の成長軌道に戻す」とする目標を掲げ、対策の裏付けとなる20年度第3次補正予算案と21年度当初予算案を「15カ月予算」として一体編成。当初予算にコロナ対策の予備費5兆円を用意する。

 国が低金利で貸し出す財政投融資などを含めた財政支出は合計で40兆円程度となる。内閣府は経済対策による実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果を3.6%程度と試算。西村康稔経済再生担当相は8日の記者会見で「大部分が来年度に支出されると想定している」と説明した。(共同)