Monday, December 14, 2020 9:23 AM

医療施設24%で水供給不足 コロナ拡大へ影響懸念

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は14日、世界の医療施設の24%で、衛生的な水が安定的に供給されていないと発表した。新型コロナウイルス感染症の拡大防止は手洗いや消毒が大きな鍵を握るが、こうした医療施設を利用する住民や医療従事者は約18億人に上り、影響が懸念されている。

 調査は昨年、165カ国で実施。医療施設の9%では、衛生的な水を調達できる場所が500メートル以上離れていたほか、非衛生的な水しか利用できなかった。施設内に衛生的な水源がなかったり、調査時に止まっているなど安定的な供給体制が欠けたりしている施設も15%に上った。

 医療施設の10%は衛生的なトイレを備えておらず、31%で医療廃棄物が分別収集されていなかった。発展が特に遅れている後発発展途上国(LDC)47カ国では状況はより深刻で、衛生的な水を安定して利用できている施設は半数にとどまり、63%は衛生的なトイレを備えず、70%で医療廃棄物が適切に管理されていなかった。