Tuesday, January 05, 2021 9:08 AM

職場の風景、コロナで一変〜「元には戻らず」とCIOら

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってほぼ1年が経過する。オフィス勤務が在宅勤務に変わった多くの会社員らは、離れた場所からも働くことは可能だと証明し、自宅で起こり得るさまざまな障害を乗り越えながらそれを成し遂げた。こうした変化を見届けた各企業の最高情報責任者(CIO)らは、人々の働く場所が永遠に変わるかもしれないと実感しているようだ。

■家でもできるウェブ会議

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ハイテク系株式市場ナスダックのブラッド・ピーターソン最高技術責任者(CTO)兼CIOは「私たちが、オフィスで週5日働く伝統的なスタイルに戻ることはおそらくないだろう」と話す。多くのCIOと同じようにピーターソン氏は、大部分の会社員にとっては自宅とオフィスのハイブリッド方式が最善の選択肢になるだろうと見ている。同氏は、ジャーナル紙が毎年末に行っているオフィスの将来などに関するアンケート調査に回答した45人のIT幹部の1人。

 飲料大手ペプシコのセス・コーエン国際CIOは、従業員らはコロナ禍の中で手にした柔軟な働き方を手放したくないだろうと語った。「私たちはeメールを書いたりウェブ会議に出席したりするためにオフィスに行く必要はない」

 給与計算サービス大手オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)のマックス・リー国際CIOは「直接向き合って共同作業することが望ましいが、社員らは自宅でも従来同様に生産的だ」と話す。1日の時間割を好きなように組める自由があるから、自宅勤務を選ぶ社員が多いのではないかと考えており「これはオフィス勤務に甚大な影響を与える。私たちがコロナ流行以前の働き方に戻ることはないのではないか」と指摘した。

 ソフトウェア会社サービスナウ(ServiceNow)のクリス・ベディCIOは「従来式のオフィスやデスクトップが置かれた作業区画は、過去の遺物になるだろう。実際に社員らは今後、いつ、どこで、どのように働きたいかの自由を獲得するはずだ」と語った。