Tuesday, January 12, 2021 8:47 AM

アップルの自動運転車、発売は早くても5年先か

 アップルの自動運転車(AV)開発はまだ初期の段階で、発売は5年以上先と見られることが関係者らの話で分かった。

■目標が拡大

 ブルームバーグ通信によると、アップルはしばらく前まで、開発は自動運転システムが中心で車そのものではないと説明していたが、現在は目標が広がり、少数のハードウェアエンジニア・チームがドライブシステムや内装・外装の設計にも取り組んでいて、最終的には車両の出荷を目指しているという。

 プロジェクトには元テスラの幹部も加わっており、まだ生産段階にはほど遠いが、一部のエンジニアは計画が予定通り進めば5〜7年で製品を出せると考えている。ただし今はチームの大多数が自宅かオフィスで限られた時間だけ働いているため、同社の車両開発能力が最大限生かされているわけではない。

 アップルの車は、テスラ、ルシッド・モーターズなどの新興メーカー、メルセデスベンツやゼネラル・モーターズ(GM)といった既存の自動車大手の製品と競合することになる。アップルが他社と違うのは自動運転システムの統合力だが、これは独自のソフトウェア、センサー機器およびチップ技術の開発を伴う巨額の取り組みになる。同社の目標は、車に乗る人が目的地を入力するだけで、ほかにはほとんど何もしなくてもそこに到着できるようにすることだ。

 製品を自社で生産しないアップルは、車でも電子機器と同様のやり方をする可能性があるが、どの企業が車を組み立てるのかは不明。約5年前の最初の試みでは、自動車業界の委託製造およびサプライヤー大手マグナ・インターナショナルが協力した。アップルは外部の自動車関連業者向けに自動運転システムを開発することも引き続き検討しており、最終的にはこの道を選んで独自の自動車生産は打ち切る可能性もあるという。