Friday, January 22, 2021 8:31 AM

デンソー、大衆車向けライダー開発でエバと提携

 デンソーは、ライダー(光検知・測距装置)を開発するシリコンバレーの新興企業エバ(Aeva)と、大衆車向け次世代ライダーを共同開発する。

 ロイター通信によると、2017年に元アップルのエンジニア2人が設立したエバは、車が道路の3次元画像を取得するのに役立ち、遠くの物体がどれだけ速く動いているかも検出できるライダーを開発しており、現在は特別買収目的会社(SPAC)インタープライベート・アクイジションとの合併による上場を進めている。

 エバのライダーは、ベロダインやルミナー・テクノロジーズなどの製品と異なり、周波数変調連続波(FMCW)と呼ばれる原理で作動する。連続レーザービームを使って対象物から反射される波形の周波数の変化を測定する。遠くの物体の移動速度も検出できるほか、木などの静止物と自転車などの移動物を区別できる。

 デンソー先進安全技術2部で自動運転および先進運転支援システムエンジニアリングを担当する夏目一馬部長は「FMCW式ライダーの開発をさらに進め、大衆市場に投入し、交通事故のない社会を構築するためにエバと協力する」と話している。

 エバは19年、フォルクスワーゲン(VW)の主要株主であるポルシェ・オートモービル・ホールディングからの出資を受けた。20年には独自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンとライダーの製造で提携した。エバのソルーシュ・サレイアンCEOは「ライダーセンサーで高性能を達成することは重要であり、手ごろなコストで高性能を達成することが究極の目標」と話している。