Monday, March 22, 2021 9:44 AM

エッジ電算市場、28年には8000億ドル市場に

 エッジコンピューティング(端末の近くにサーバーを分散配置して電算処理する手法)市場が順調に拡大しており、2028年には8000億ドル市場に成長するとの予想を、リナックス財団のLFエッジが公表した。

 ベンチャービート誌によると、「末端の現況(State of the Edge)」と題されたLFエッジの調査報告書は、エッジコンピューティングは11業界で43件の活用例に広がると予想している。

 それらのエッジ電算市場に共通することは、現場(末端)のデータ生成量が大幅かつ継続的に増え続ける環境において、現場でのデータ処理が重視されるという点だ。

 モバイル通信端末とモノのインテリジェンス(Intelligence of Things)ゲイトウェイを使ってHCI(hyperconverged infrastructure)プラットフォーム群を運用する現場がその典型だ。例えば、生産ラインに設置された数多くのセンサーから無線収集されるデータを人工知能(AI)によってリアルタイムで整理して分析し、その結果を生産設備の稼働効率化や予想保守、整備、点検に使うといった応用法が普及し始めている。

 現場でのデータ処理は現在、0.1秒単位で実行されるようになっている。エッジ電算は、従来のように遠隔のクラウド・データ・センターにいったん転送し、分析結果を現場に戻すことで生じる遅延が避けられるため、現場の効率化につながっている。