Wednesday, April 21, 2021 10:28 AM

コロナ陰性証明書の偽物が横行〜航空会社は対応に苦慮

 新型コロナウイルス感染検査で陰性だったことなどを証明する書類の偽造品が横行しており、世界の航空会社が対応に苦労している。

■準備が追いつかず

 ウォールストリート・ジャーナルによると、こうした証明書は多くの国で入国時に求められる感染検査の結果を示すものが多いが、国際航空運送協会(IATA)は、フランス、ブラジル、バングラデシュ、アフガニスタンなど複数の国で偽の証明書の追跡を行なっており、英国、スペイン、インドネシア、ジンバブエでは国境警備当局が偽造証明書を販売した人々を逮捕しれている。

 今のところ国内線では証明書の提示を求められないため、問題は国際線で発生している。国際旅行客に依存する航空会社、特に欧州で運航する航空会社は、旅行需要の回復が期待される夏に向けてますます警戒感を強めている。

 業界は、法令順守を容易にし、同時に需要を喚起できるよう、コロナ後の旅行基準の作成やシステムの再構築に取り組んでいるが、航空会社では必要なすべての新しい健康証明書を確認、監視する準備が整っておらず、偽造証明書の急増によって書類検査の弱点がさらけ出された。今後ワクチン接種の証明書の提示を求める国が出てくれば、問題が悪化する恐れもある。