Monday, October 17, 2016 10:33 AM

スマート水道市場、2025年までに3倍か〜データ管理や監視システムも拡大

 水道システムを近代化するスマート技術への関心が高まっている。

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、水道システムの老朽化は世界的な問題と位置づけられ、水不足の深刻化を背景に、節水機能の高い水道システムの重要性は高まりつつある。

 アメリカン・ウォーター・ワークス協会(American Water Works Association)では、米国内の老朽化した水道管を取り替えるのに今後25年間に1兆ドル以上の費用がかかると見積もっており、スマート水道システムには大きな潜在市場があると期待される。

 調査会社のナヴィガント・リサーチは、スマート技術を活用した水道基盤設備市場が2023年までは比較的ゆっくりとした速度で成長し、その後に加速するという見方を、最近の報告書で説明した。

 水道測定のためのスマート・メーターの設置個数は、2025年に13億個を超えると予想される。スマート・メーターが普及するのに従って、制御装置やデータ管理システム、接続網監視技術の市場も拡大する。

 それらを包含するスマート水道システム市場の世界売上高は、2016年の26億ドルから2025年には72億ドルに成長する、とナヴィガントは予想する。

 同分野への関心の高まりをうかがわせる例として、水道技術を手がけるザイレム(Xylem)が挙げられる。同社は、スマート・メーター関連の事業資産を拡充するために、センサス(Sensus)を17億ドルで買収する計画だ。

 センサスのスマート水道システムは、カリフォルニア州ファウンテン・バレー市で導入されている。同市の公益管理者によると、センサスのシステムによって、水道使用量の多い利用者を特定することで節水を働きかけることができる。

 センサスでは、水道システムの効率化を通じて、年間最大125億ドルの節約を水道局にもたらせる、と説明している。

 ナヴィガントのアン・ウロベッツ氏によると、カリフォルニア州は、スマート水道製品がもっとも普及した市場の一つだ。

 今後は、技術や機器を開発する企業が節水や効率化をサービスとして提供し、水道局とのあいだでメーター管理やデータ分析の長期契約を結ぶ事例が増える、とウロベッツ氏は予想する。

http://www.environmentalleader.com/2016/10/10/its-called-smart-water-for-a-reason-these-networks-revenue-to-nearly-triple-by-2025/