Monday, October 17, 2016 10:39 AM

退位制度化含め8論点 女性天皇、宮家は対象外

 政府は17日、天皇陛下の生前退位を巡る有識者会議の初会合を官邸で開いた。皇室典範に規定がない退位について、陛下一代限りの特別法の制定を軸に検討する構えで、年明けにも論点を整理する。座長に互選された今井敬経団連名誉会長は専門家から意見聴取する項目案として、憲法における天皇の役割や公務の在り方、高齢となった場合の負担軽減策、退位の制度化の是非など8点を提示。女性・女系天皇の容認や「女性宮家」創設は議題に含まれないとの認識を記者団に示した。

 国会論議も踏まえ、来年の通常国会での法整備を視野に入れる。退位が実現すれば約200年ぶり。8月の陛下による異例のお気持ち表明に端を発した「国民と天皇の関係」を探る議論は、象徴天皇制の転機となる可能性がある。

 安倍晋三首相は初会合で「国家の基本に関わる極めて重要な事柄だ。予断を持つことなく十分にご審議いただき、国民のさまざまな意見も踏まえて提言をまとめるようお願いしたい」と述べた。(共同)