Thursday, October 14, 2021 9:35 AM

米中AI競争、米すでに敗北〜国防総省の元ソフトウェア責任者

 人工知能(AI)技術の競争では中国がすでに米国に勝っており、世界制覇の方向に進んでいると、国防総省(ペンタゴン)の元最高ソフトウェア責任者が英フィナンシャル・タイムズに語った。

 ロイター通信によると、発言の主はペンタゴンで初代の最高ソフトウェア責任者を務めたニコラス・チェイラン氏。米軍事分野の技術開発の遅れに抗議して辞任した経緯がある。氏によると、世界第2の経済国である中国は、多くの新興技術分野で世界を支配する公算が大きく、特にAI、合成生物学、遺伝学の分野は10年以内に独占状態になるという。

 「今後15年から20年の間、米国が中国と競い合って勝てる見込みはない」「私から見ると現時点でもう勝負は付いている」と同氏はFT紙に語った。中国はメディアの論調から地政学まで、全てを管理することで世界の未来を支配することになるとも指摘した。

 氏はさらに、それは進み方の遅い技術革新や、グーグルなどの米企業がAIやAIの倫理面について連邦政府との協力に消極的なことに原因があると非難した。

 チェイラン氏によると、中国企業は政府との共同作業が義務づけられており、倫理的な議論なしでAIに膨大な投資を行っている。一部の米政府機関のサイバー防御態勢については「幼稚園レベル」だという。