Thursday, January 06, 2022 9:22 AM

マグナの電動システム、ソフトウェアで航続距離を30%延長

 カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルは、電気自動車(EV)の航続距離を最大30%拡大できるという完全電動パワートレイン・パッケージ「EtelligentReach」を市場投入する。

 グリーンカー・リポーツによると、このパワートレインは2022年発売の車両に搭載される予定。パッケージは2個の電気モーター、インバーター、ギヤボックスで構成されるが、効率改善のほとんどは総合的なソフトウェア開発によってもたらされるという。

 使用されるソフトウェアパッケージは、モジュラー制御ユニットを介して多くの車両機能を一度に監視し、機械部品が協調的に機能して最大の効率を実現するように設計されている。また、ドライブラインの切り離しも可能で、負荷が軽い時には1個のモーターを切り離し、トルクベクタリングや複数のドライブモードなどで効率の向上を図る。

 マグナは、EVベンチャーのフィスカー(Fisker、カリフォルニア州)から電動SUV「オーシャン」の生産契約を取り付けているが、それが「EtelligentReach」を搭載する最初のモデルになるかどうかは不明。フィスカーは「オーシャンは一部でマグナの技術を用いるが、多くの独自技術を投入する」と話している。

 マグナは「オーシャン」の基本アーキテクチャーの一部を提供する予定で、22年11月にオーストリアのグラーツにあるマグナ・ステイヤー工場でその生産を開始する。現在その工場では、21年に「EtelligentReach」システムと「e4」システムの実演車として使われた「ジャガーI-Pace」を製造している。

 「e4」も、マグナ独自の前輪と後輪のモーター、ギヤボックスおよびソフトウェアを使い、同社によると「I-Pace」の航続距離を25%向上できる。

 マグナは最近、EV部品分野で活発な動きを見せており、21年初めにはフレーム型トラックを電動化する方法として「eBeam」と呼ばれるモジュラーソリューションを発表している。

https://www.greencarreports.com/news/1134579_magna-claims-it-can-boost-ev-range-30-with-software-and-controls-a-big-part-of-it