Tuesday, February 22, 2022 6:36 AM

ABB、EV充電設備会社を買収〜eモビリティー事業強化

 スイスの電力管理および自動化技術大手ABBは、北米市場におけるeモビリティー事業の強化を目的に、新興の電気自動車(EV)充電インフラ会社インチャージ・エナジー(InCharge Energy、カリフォルニア州)を買収した。

 ABBのプレスリリースによると、この買収は同社のeモビリティー成長戦略の一環で、民間および公共の商用車群(フリート)、EVメーカー、相乗りサービス業者、地方自治体、商業施設所有者向けのターンキー型EVインフラ・ソリューションなどへの取扱品拡大を加速させることが目的。

 ABBは2020年、ベンチャーキャピタル資金調達ラウンドでインチャージに出資し、10%の株式を取得。現在は同社発行済み株式の約60%を保有する。インチャージ創設者のキャメロン・ファンク氏とテリー・オデー氏は残りの保有を続け、現経営陣とともに引き続き会社を率いる。

 インチャージ・エナジーは、EV充電設備に関する初期のコンサルティングやエネルギー・アップグレードの推奨から、充電システムの調達、設置、運用、整備までを含むエンドツーエンドの充電インフラ・ソリューション開発で知られる。また、フリート事業の効率を高めるのに不可欠なクラウドベースの電力管理ソフトウェアサービスも提供する。

 18年設立のインチャージは現在、米国とカナダで事業展開しており、米国のいくつかの主要な商用フリート運用者と契約している。

 ABBeモビリティー部門のフランク・ミューロン社長は「インチャージ・エナジーおよびそのサービスにより、当社は特にフリート電動化が急速充電技術普及の大きな原動力になると予想される米市場で理想的なポジションにある。互いのソリューションを組み合わせることで、両社は30年までに全米で50万台のEV充電器ネットワークを構築するという米国の目標達成を支援できる」と話している。