Tuesday, March 22, 2022 7:00 AM

AV政策、20年代中に有意義な進展あると運輸長官

 ピート・ブティジェッジ運輸長官はこのほど、テキサス州オースティンで開かれた音楽祭、技術見本市、映画祭などの複合イベント「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)2022」で、自動運転車(AV)に関する連邦の政策枠組みは技術の進展に追い付いていないが、政策は今後数年間で意味のある進展を遂げるだろうと述べた。

 ロイター通信によると、ブティジェッジ氏は規制に関して「まだ大部分が初期段階にある」業界の技術革新を邪魔することなく自動運転の限界を定める必要があると語り、「安全上の懸念が高まり始めるまでは、または高まらない限り、実験は盛んに行われていい」と述べた。

 さらに、各企業が公道試験で使う車の数を制限することが「速度違反防止」装置になり得ると指摘しながら「米国では20年代中に非常に有意義な進展が見られると思う」と語った。

 AV規制に関する議会の動きは数年前から停滞しているが、運輸当局は3月上旬、「完全AVは衝突に備えた安全基準を満たす上で人が動かすハンドルやブレーキペダルなどの運転制御装置を装備する必要性はない」との判断を示した。

 電気自動車(EV)大手のテスラは、数万人のテスラ車オーナーに公道で使うための「フル・セルフドライビング(FSD)」と呼ぶ運転支援システムのパイロットソフトウェアを提供しているが、このシステムは死亡事故や交通違反に関して当局の調査を受けている。

 他の自動車メーカーはもっと慎重で、メルセデス・ベンツのマーカス・シェーファー最高技術責任者は「手放し運転が可能な半自動運転システムを米国で提供してテスラと競争する前に、会社を守るための規制の枠組みを強く望んでいる」と語った。

 ブティジェッジ氏はSXSWで、排ガスを削減するために米国の公共交通システムを改善し、税優遇措置を通じて消費者にEVの購入を奨励したいとも述べた。

 公共交通機関の到着時間や行きたい場所への最短ルートが分かる携帯電話アプリ「トランジット(Transit)」の集計によると、全米の交通機関の利用者数は現在、新型コロナウイルス禍以前の水準を約40%下回っている。労働組合のある工場で造られたEVに限り税優遇を適用するというホワイトハウスの提案は、議会審議が行き詰まったままだ。