Tuesday, April 26, 2022 3:11 AM

マスターカード、賞与をESG目標と直結

 マスターカード(Mastercard)のマイケル・ミーバックCEOは4月19日、上席管理職に限定していた従来のESG(environmental, social, and governance=環境、社会責任、企業統治)推進制度を全従業員の賞与に拡大する、と発表した。

 ロイター通信によると、マスターカードのその動きは、同社が二酸化炭素排出量の削減と金融包摂の改善、男女平等賃金といった目標の達成に向けた努力のさらなる拡充を明示する。同社は2021年11月に、ネット・ゼロ(大気中に排出される温室効果ガスと大気中から除去される温室効果ガスが相殺されて均衡がとれた状態)達成目標を従来の2050年から2040年へと10年前倒ししている。

 「炭素排出量削減や金融包摂強化、男女間賃金格差是正と報酬を結びつける方針は、わが社がそれらの分野で大きな影響力を持ち、われわれのヴィジョンが企業の社会責任を負うことと密接に結びついているからだ」とミーバック氏は同社ウェブサイトで説明した。

 気候変動や経済的不平等に対する社会的かつ政治的な懸念の高まりを背景に、多くの会社は利益を生み出す方法についてこれまでより大きな責任を負うようになっている。また、株主や金融業界、消費者からの圧力もますます強まっている。

 同社は、執行副社長以上の報酬をESGの取り組みと関連づける方針を2021年3月に発表し、ESG取り組みの結果を出した上席幹部らに特別賞与を出すことを決めていた。

https://www.reuters.com/business/finance/mastercard-link-all-employee-bonuses-esg-goals-2022-04-19/