Tuesday, July 12, 2022 4:18 AM

ヴォクセル、倉庫作業の安全化ソリューションで急成長

 人工知能技術によって倉庫作業を安全化するソリューションを提供する新興企業のヴォクセル(Voxel、サンフランシスコ拠点)は、2021年に300万ドルのベンチャー・キャピタル投資を集めたのち、市場に残れるのかそれとも競争に負けて衰退するのか注目されていた。

 テッククランチ誌によると、同社の従業員数はその後、8人から30人に激増し、作業現場での事故やけがを減らすという目標にさらに接近すべく、開発と販促を強化して「前例のないほどの速さで成長している」と同社は取材に答えた。

 同社の目標は、配送センターや倉庫、物流センター内でのフォークリフト事故によって切り落とされる手を減らすと同時に、そういった現場における労災リスク管理に変革をもたらすことだ。

 同社によると、同社製品を導入した現場では、「けがが80%以上減った」と同時に、生産性が20%上がったという。

 同社のその統計は最近、保険会社や職場の安全性に敏感な倉庫管理会社らの関心を集めつつある。「保険会社がリスクを引き受ける方法を根本的に変える」ことを同社は目指しており、「堅牢なデータと実用的なインテリジェンス」によって保険会社とその顧客の関係を強化しようとしている、と同社は説明すする。

 同社の技術は、人工知能と末端電算(edge computing)を活用することで、現場作業員たちの個人特定可能情報を追跡することなく作業過程を監視し、危険を避けられるようにするアルゴリズムを基盤とする。

 同社が開発した人工知能アルゴリズムは、現場に設置された既存の監視カメラ群と接続され、現場の作業状況を正確に追跡し、人間工学上の無理な動きや体勢のほか、作業機械類の危険な動き、事故やけがの危険性を高める仕事の流れおよび作業慣行を人工知能によってリアルタイムで検出する。

 同社のソフトウェアはそれらの動画を分析して洞察を導き出し、事故やけがにつながる可能性の高い部分を特定して管理者に報告する。

 同社のシステムは、無線通信帯域幅をそれほどとらないため、拡張性に富む。

 同社によると、同社のソリューションを導入する会社は現場の事故やけがを減らせる可能性が高くなることかから、事業保険のかけ金を引き下げる保険会社がこれから出てくる可能性もある。

https://techcrunch.com/2022/05/11/voxel-series-a/