Thursday, October 20, 2016 10:20 AM

米ヤフー、事業売却に暗雲 5億人情報流出で見直しも

 米検索大手ヤフーによる中核インターネット事業の売却計画に暗雲が漂ってきた。5億人分に上る大規模な個人情報流出が発覚したことを受け、売却先の通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは計画の見直しを示唆。情報管理が甘いとの批判も根強く、ヤフーの信用は低下の一途をたどっている。

 「現時点では(買収に)重大な影響があると考えるのが妥当だと思う」。ベライゾンの法務担当トップ、クレイグ・シリマン氏は今月、情報流出について米メディアにこう語った。48億3000万ドル(約5000億円)で合意した買収額の減額交渉や、買収撤回に踏み出すことに含みを持たせた発言だ。こうした事態にヤフーのメイヤー最高経営責任者(CEO)は「われわれの事業の価値に大変な自信を持っている」と述べるにとどまっている。

 米グーグルなどとの競争に敗れ経営不振に陥ったヤフーは7月、ニュースや検索など中核事業の売却を決定。2017年1〜3月期の売却完了を目指すとしていた。今年9月になり、14年にいずれかの国家が関与したサイバー攻撃に遭い、5億人分の利用者の個人情報が流出したと発表した。(共同)