Friday, October 07, 2022 7:38 AM

AIがハリケーンの対応に活躍〜進路予想モデルや音声による自動対応を実現

 ハリケーンの進路予想や被害後の対応に、人工知能(AI)技術が本格活用されている。

 ベンチャービート誌によると、エネルギー省の太平洋岸北西部国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory=PNNL)は2021年、ハリケーンの強度と進路を予想するためのモデルを開発した。深層学習の技法を使った同モデルは、全米ですでに使われている予想モデルより精度が高く、しかも一般的なラップトップで動作させられる。

 同モデルは、ハリケーンの動きと海洋に蓄えられた熱、風速、気温といった各種の要因を組み合わせ、ハリケーンがどの進路を取るか、どれほどの強度になるか、また強度がどれほどの時間で強まるかを予想できる。

 そのほか、ハリケーンによって停電やほかの緊急事態が生じる結果として、電話・ガス会社や病院のコールセンターでは大量の通話に対応しなければならなくなるため、AIを活用した音声対応技術を導入するところが増えている。

 その種の技術を開発する新興企業スキット(Skit)のスーラブ・グプタCEOは自社の音声AI技術について、「文脈に応じて適切な会話をすることができ、人間の介入を必要としない」「危険かつ機微を要する状況において、顧客に重要な情報を提供するのに使われている」と説明した。

 音声AIは、入ってくる通話を通常の音声自動応答システムよりも速く処理でき、同時に対応できる件数にも制限がない。人間のように聞こえる双方向会話や質疑応答を可能にし、内容が複雑で答えられない場合には人間の担当者に取り次ぐことで即応を効率化する。

 スキットの同技術は、ほかのアプリケーションに簡単に統合でき、通話対応の実績をくわしい数値や指標で示す上、多言語に対応する、とグプタ氏は述べた。