Friday, February 10, 2023 9:10 AM

B2U、使用済みEV電池による蓄電施設で収益

 ロサンゼルス拠点の電力系統(グリッド)向け蓄電池メーカー、ビートゥーユー・ストレージ・ソリューションズ(B2U Storage Solutions)は、カリフォルニア州ランカスターで、使用済みとなった電気自動車(EV)用電池1300個と太陽光発電施設をつないだ容量25メガワット時(MWh)の蓄電施設を運営している。

 ロイター通信によると、施設はこの種の事業としては初めて卸売市場に電力を販売しており、フリーマン・ホールCEOによると2022年は100万ドルの利益を出した。

 この技術はまだ新しいが、グリッドに給電できる規模の蓄電施設は、今後交通機関の電動化に伴い発生する数百万個の使用済み電池パックの有効な受け皿になる。また、太陽光発電や風力発電で生産した大量のエネルギーを、夜間や風のない時のために貯蔵する費用対効果の高い方法と言える。

 19年設立のB2Uの技術は、EV電池パックを分解することなく連結でき、同社には丸紅が出資している。使用済み電池に第二の使い道を与えることで、事業開発者は資源とコストの両方を節約できる。

 ホールCEOは、B2Uのようなシステムによってグリッド規模の電池の設備投資を約40%下げられると見ており「二次利用や再利用によって、電池のライフサイクル全体の効率が高まり、電池の価値を最大限に引き出せる」と強調する。

 電池は、車に搭載されている間は酷使され、時間が経てば性能が落ちて車の航続距離が短くなるが、要求がより緩やかな定置式蓄電池としての価値はまだ残っている(ホール氏)。

 B2Uのシステムで使われている電池は最長で8年前に生産されており、かつてはホンダや日産車に搭載されていた。B2Uは、加州とテキサス州で新プロジェクトの開発を目指している。