Tuesday, March 14, 2023 2:49 AM

TSMC、米国で解雇された技術人材の獲得を図る

 世界最大のチップ受託製造会社TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、昨今における米技術業界の大型解雇によって失職する技術人材の獲得に注力している。

 レジスター誌によると、同社は現在、約10%の増員に相当する6000人もの技術工学者を新規採用する計画を進めている。同社は、実績と経験のある技術人材だけでなく、電気工学やソフトウェア開発の分野で2年制学位(準学士号)から博士号まで幅広い人材を採用する考えだ。

 ただ、台湾に転居しなければならない可能性が高いほか、給与提示額は米国内のそれより低くなるため、優秀な人材をどれほど獲得できるかは不透明だ。TSMCの場合、新人工学者の平均年俸は約200万台湾ドル(約6万5000ドル)だ。台湾の生活費は米国内主要都市よりかなり低いため、6万5000ドルという年俸は高給の部類に入る。

 TMSCは米国内でのチップ製造事業を拡大させようとしているが、チップ工場が完成するまでにはまだしばらく時間がかかる。

 コーヴィッド19パンデミックによって混乱したチップ供給網を立て直すために、チップ業界では、米政府のチップ国産化支援策を利用して生産施設を米国内に新設または既存施設の拡張に注力している。しかし、操業開始にこぎつけるまでには複数年かかる。

 TSMCはそのため、既存工場群の生産能力を拡大させながら開発と増産、技術革新に取り組み、地元である台湾の工場群や研究&開発部署の人材資源力を大幅に増強したい考えだ。

https://www.theregister.com/2023/03/06/tsmc_hiring_engineers/