Monday, March 20, 2023 6:50 AM

巨大ダイカストマシンが自動車製造を変える

 イタリアの鋳造機械メーカーIDRA(イドラ)グループなどが製造する巨大なアルミダイカストマシンは、約60個の溶接部品を単一部品に置き換えて、自動車製造の簡素化とコスト削減を支援している。

■部品コストを30%削減

 ロイター通信によると、テスラは、「ギガプレス」とも呼ばれるこうした巨大鋳造機を使って車両のアンダーボディー(ボディー下部)を大きな単一部品に成型、生産を合理化してロボットの作業さえも軽減することに成功した。同社が最も収益性の高いEVメーカーになっている一因だ。

 原材料価格の高騰を受け、利益率の確保に苦慮する自動車業界では、トヨタ、GM、現代、ボルボ、ニオ(NIO、蔚来汽車)などもIDRAのような企業に助けを求めている。

 EVの総生産コストの25~40%は、電池パックが占める。IDRAのリカルド・フェラリオGMは「残りのコストを下げる必要がある」と指摘した。アルミ鋳造機を使用する自動車メーカーは、エンジンの次に高価な部品であるシャーシ製造に必要な費用を40%削減して、部品コストを平均30%減らせるという。

 2008年、中国のLKインダストリーズ に買収されたIDRAは、16年からギガプレスを開発しており、欧州のビューラー・グループ(Buhler Group)、日本のUBE(ユービーイー)マシナリー(旧宇部興産機械)と芝浦機械、中国の伊之密(Yizumi)と海天(Haitian)などと競合している。