Tuesday, April 18, 2023 6:50 AM

フォード、独工場で完成車が自ら移動・充電・駐車する技術を試験

 フォードは、工場で完成した車両が組立ラインから最終検査所まで自走し、自動で充電をした上で所定の場所に駐車して出荷を待つという、生産プロセスの効率化を目指して開発された人工知能(AI)による自動運転技術をテストしている。

 フォードのプレスリリースによると、この「E-SELF」プロジェクトは、同社が2023年に電気自動車(EV)の生産を開始するドイツのフォード・ケルンEVセンター(20億ドルの投資対象)で導入を検討しているさまざまな取り組みの一つ。

 同社は、ブラウンシュヴァイク工科大学自動車工学研究所およびコペルニクス・オートモーティブと共同で2年半の試験を行なっており、ドイツの連邦経済・気候保護省が200万ユーロの資金を提供している。

 「E-SELF」プロジェクトは、車両間通信を利用して車を制御、監視する技術の開発が目的。工場周辺に設置されたセンサーが、人やほかの車など、車が進路上の危険を特定し、必要に応じて減速/停止する。

 車両は、道路、鉄道、フェリーによる移動に向けた準備を整えて駐車するまでに、最終的な検査だけでもいろんな場所を十数回移動することがある。AIを使えば、車は自分で運転し、充電して動き始められるようになる。自動変速機、電子安定制御、電動ハンドブレーキ、ステアリング支援機能を搭載した車ならどれでもそれが可能で、追加要件はインフラとの対話を可能にするスマート通信ユニットだけだという。

 フォードが3月に発表した新型の完全EV「エクスプローラー」は、同社が初めてフォード・ケルンEVセンターで量産する乗用電動車になる。同社は26年までに欧州で年間60万台のEVを販売する計画で、30年までには乗用車モデルを全面的に電動化する予定。