Tuesday, May 09, 2023 4:34 AM

JPモルガンやH&Mら、技術大手らの炭素除去努力に加わる

 JPモルガン・チェイスやH&M(Hennes & Mauritz)らは、技術業界大手らの炭素除去努力に加わる方針を打ち出した。

 二酸化炭素対策には、排出量を減らす手法や排出権購入、炭素相殺、そして、大気中から吸い出すという方法がある。JPモルガンらの方針はその最後の方法による取り組みだ。

 ブルームバーグによると、オンライン決済サービス新興企業ストライプ(Stripe)の子会社であるフロンティア(Frontier)は4月12日、JPモルガンやH&M、ワークデイ(Workday)、オートデスク(Autodesk)が新たな炭素除去購入に計1億ドルを出す誓約を取りつけたことを明らかにした。

 メタ・プラットフォームス(Meta Platforms)やアルファベット(Alphabet)、マッキンゼー(McKinsey)といった技術大手から総額9億2500万ドルの投資を集めたフロンティアは、今回を含め累計10億ドルを超える炭素除去誓約を集めたことになる。

 炭素除去誓約というのは、温室効果ガスの排出削減がなかなか進まないため、排出量を減らす代わりに二酸化炭素を大気中から除去しようという動きに賛同する意思表明を指す。ただ、昨今では、景気後退や物価上昇の懸念から、そういった持続可能性への取り組みに資金を投じることを躊躇する会社も少なくない。

 フロンティアは、今回の新たな誓約獲得によって、非技術業界の大企業らが、炭素相殺や排出量削減とならんで炭素除去を会社の方針として気候変動対策に含める真剣な努力に取り組む動きに勢いがつき始めたことを発信したい考えだ。

 炭素除去は、巨大な機械を使って大気中から二酸化炭素を取り出して地中に埋めるという取り組みで、おもに技術業界大手らがその顧客となって炭素除去料金を払っている。炭素除去機械の運営会社は、利用会社らが払う料金に応じた炭素の量を空気中から取り除く。依頼側はその量を自社の脱炭素活動に反映させる。

 フロンティアのハンナ・ベービントン主任戦略家によると、JPモルガンとH&M、ワークデイ、オートデスクの4社は、フロンティアが選定した新興企業群から、2030年までに一定の炭素除去量を購入することにすでに合意した。新興企業らはそれによって、炭素を地中深くに埋める技術から海中に放出する方法までさまざまの技術の開発に取り組む資金を得られる。それと同時に、それぞれの技術の買い手を探す機会も得られる。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-04-12/jpmorgan-and-h-m-join-stripe-s-program-to-tackle-climate-change