Wednesday, October 26, 2016 10:17 AM

オバマケアの保険料、17年は25%上昇へ

 厚生省は、医療保険改革法(通称オバマケア)に基づいて開設された連邦政府の保険購入サイト(healthcare.gov)で提供されている2017年適用の医療保険の平均保険料が前年比で25%上昇したと発表した。

 ロイター通信によると、高騰の原因は保険会社が過去2年間のコスト情報を反映させたため。この2年は保険料上昇率が非常に小さかったが、その間に生じたコストの情報は最近になって公表された。その結果、保険料上昇率は全国民に保険加入が義務付けられた13年に同サイトで保険の販売が始まって以来最も大幅になり、基準プランの平均保険料は1カ月242ドルから302ドルに上昇した。

 ただし、政府は保険加入者の約85%に所得に応じた支援を提供しており、保険料の上昇に伴ってそれらの補助金も増えるため、サイト利用者の72%は月々の支払いが75ドル未満のプランを見つけられるという。

 サイトでは全米50州のうち約3分の2を対象に保険を販売しているが、加入者数は予想を下回っている上、患者の医療費が予想以上にかさんでいるため制度に参加する大手保険会社は損失を出しており、ユナイテッドヘルスとエトナは17年の保険販売を取りやめた。その結果消費者の選択肢が減り、17年はわずか1社しか保険を提供していない州が5州あった。

 サイトの利用者は、17年には月平均1140万人と前年から約100万人増えると予想されている。オバマ大統領は、この法律が完璧に機能していないことを認めているが、競合の少ない州を助けるために議会が公営の保険オプションを作れば問題は解決すると見ている。

 保険料の大幅な上昇は大統領戦の争点にもなっており、共和党候補のドナルド・トランプ氏は「当選したらこの法律を撤廃する」と宣言、民主党のヒラリー・クリントン氏は拡張する意向を示している。