Friday, May 31, 2024 7:11 AM

充電施設、もっと安全に〜EVドライバー意識調査

 電気自動車(EV)のドライバーにとって充電ステーションの安全性は最優先事項だが、基本的な安全機能を欠いた充電施設が多いという調査結果を、研究機関トランスポーテーション・エナジー・インスティチュート(TEI、本部バージニア州)が発表した。

 オートモーティブ・ニュースによると、調査は全米のEVドライバー500人と99の充電器設置者を対象に行われ、EVドライバーは公共充電ステーションについて、24時間365日営業で、複数の充電ポートがあり、明るい照明、監視カメラを備え、目につきやすい場所にあることを望んでいた。

 調査対象となったEV充電施設のうち、複数の充電ポート、年中無休のサービス、充電器周辺の明るい照明を備えているのは約半数で、人目につきやすい場所にあり、監視カメラが設置されている施設は約3分の2だった。

 全米で公共充電ネットワークが広がりつつある中、充電施設の安全機能と同時に各種の付帯設備も重要になっている。EVドライバーの半数以上は、充電所で30分〜1時間を過ごし、約3分の1が充電中に軽食や飲み物を購入している。

 TEIのジョン・アイヒバーガー氏は「充電所では、従来のガソリンスタンドに寄る時よりもダウンタイム(何もしていない時間)がはるかに長いため、付帯設備が絶対必要」と指摘。EVドライバーの中には充電所に子供用の遊び場を要望する人もいて「ガソリン給油だと車を止めて3〜5分で出発できるが、15分、20分、30分と座っているなら何かすることが必要で、そうでなければ時間の無駄と感じるだろう」と述べた。

 市場調査オートパシフィックのアナリスト、ロビー・デグラフ氏は「充電所の運営者は飲食品の販売店を構えることで、そのダウンタイムを収益につなげられる」と見ている。

 バイデン政権は、2030年までに50万基の公共充電器を利用可能にするという目標を掲げている。エネルギー省によると、全米には現在公共充電所が約6万4000カ所あり、約17万4000口の充電プラグが設置されている。