Thursday, October 17, 2024 7:12 AM

ボッシュ、テンストレントと協力〜自動車用チップの標準化で

 部品大手ボッシュは、自動車用チップ(半導体部品)の基本構成要素の標準化に向けプラットフォームを開発するため、米国の新興半導体企業テンストレント(Tenstorrent、)と協業する。

 ロイターによると、テンストレントのデビッド・ベネット最高顧客責任者(CCO)はインタビューで、チップレット(機能を分割した小型チップ)と呼ばれる最新のチップ構成要素を使って、ニーズの大きく異なる自動車に電力を供給できるシステムを構築するための標準的な方法を開発すると語った。

 異なる数と種類のチップレットを組み合わせて大規模チップにし、完全なプロセサーを形成することで、両社はコスト削減や自動車業界に新しいシリコン製品を投入するスピードの向上を目指す。

 EVの出現によって、車は電池で動く移動式大型コンピューターのような製品になりつつあり、電動化と自動運転システムの導入は技術的に複雑なため、自動車メーカーは必要なチップの製造や購入のために新たな方法を追求している。エヌビディア、クアルコム、インテル傘下モービルアイといった半導体大手は、多様な運転支援用チップや関連ソフトウェアを製造している。

 チップレットを構成するブロックに関する技術的要件を標準化すれば価格を下げられ、標準的なチップレットを大量に生産し用途ごとに必要に応じて追加、削除すれば資金を節約できる。また、自動車メーカーは既製の部品を購入するよりも、各設計に合わせて部品を特製するという選択肢を増やせると考えられている。

 今回の提携には、具体的な製品や自動車メーカーへの販売は含まれていない。テンストレントのジム・ケラーCEOは、テスラで自動運転用チップの設計責任者を務めていたほか、AMDやアップルなどでチップを設計した経験もある。