Monday, November 18, 2024 6:10 AM
ローム、高絶縁耐性のSBD開発〜電動車の高電圧化にも対応
ローム(京都市)は、端子間の沿面距離を伸ばして絶縁耐性を高めた表面実装タイプのSiCショットキーバリアダイオード(SBD)を開発した。オンボードチャージャー(OBC)など車載機器向けの8機種を取りそろえ、12月からはFA機器やPVインバーターなど産業機器向けの8機種も販売を開始する予定だ。
EV、プライグインハイブリッド車(PHV)などの電動車(xEV)に搭載されるOBC、DC-DCコンバーターにはパワー半導体が不可欠であり、発熱が少なく高速スイッチング性能と高耐圧性能を兼ね備える炭化ケイ素(SiC)SBDの需要が高まっている。特に、小型かつマウンターで実装可能な表面実装(SMD)パッケージ品のニーズが加速しているが、高電圧の印加などによるトラッキング(沿面放電)が生じやすいため、より長い沿面距離(パッケージ表面に沿った二つの端子間の最短距離)を確保した製品が求められている。
プレスリリースによると、ロームの新しいSBDは、従来のパッケージ下部にあったセンターピンを取り除き、独自の形状を採用することで沿面距離を一般品の約1.3倍の最小5.1ミリメートル(mm)に伸ばした。沿面距離が伸びることで端子間のトラッキングを抑制できるため、高電圧用途で基板に部品を表面実装する際、樹脂ポッティングによる絶縁処理が不要になる。
耐圧は650ボルト(V)と1200Vの2種類をそろえており、EVやプライグインハイブリッド車(PHV)などxEV(電動車)で広く用いられる400Vシステムのほか、将来的に採用拡大が見込まれるより高電圧なシステムにも使用できる。また、TO-263パッケージの一般品及び従来品と共通のランドパターンに実装できるため、既存の回路基板への置き換えが可能。さらに、車載機器向け製品は車載信頼性規格AEC-Q101に準拠している。
サンプル出荷は9月から開始している。