Wednesday, October 26, 2016 10:28 AM

南シナ海、平和解決で一致 日比首脳、仲裁判断を尊重

 安倍晋三首相は26日、フィリピンのドゥテルテ大統領と官邸で会談し、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題に関し「法の支配」の重要性や、国際法に基づき紛争を平和的に解決することで一致した。中国の主権主張を否定した7月の仲裁裁判所判断を尊重。地域の平和と安定の観点から、米国との同盟の重要性も確認した。首相は大型巡視船2隻の供与や農業開発支援を対象に、政府開発援助(ODA)として計約213億円の円借款供与も伝えた。

 日比両首脳は会談を受け、両国の戦略的パートナーシップを促進するための共同声明を発表。南シナ海問題に関し、海洋紛争の平和的解決のためには自制と非軍事化が重要だと強調した。

 首相はドゥテルテ氏が米国批判を繰り返しているのを踏まえ、関係修復を呼び掛けたとみられるが、日本政府はやりとりの詳細を明らかにしなかった。ドゥテルテ氏は会談で「米国との外交関係を断ち切るわけではない」と説明した。26日の東京都内での講演では、米軍部隊の撤退を求める考えを表明している。(共同)