Monday, January 13, 2025 6:07 AM

グッドイヤー、スマートタイヤでAVの雪道走行を支援

 タイヤ大手グッドイヤー・タイヤ&ラバーは、タイヤのインテリジェンス(情報分析)技術を自動緊急ブレーキ(AEB)に統合することで車両の安全システムを大幅に向上させており、10までラスベガスで開かれた家電IT見本市「CES 2025」では、オランダの研究機関TNOと提携して最新プロトタイプを発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アリゾナ州フェニックスやサンフランシスコのような温暖な都市では、自動運転車(AV)が記録的な数の乗客を運んでいるが、グッドイヤーの本拠地であるオハイオ州アクロンのような極寒の中西部ではそうではない。雪が積もると路面の状態が大きく変わり、車両の制御に影響するためだ。

 問題の核心は、歩行者や他車両のような障害物を検知した時に車を安全に停止させるよう設計されたAEBシステムにある。雪道や凍結した道路では車が完全に停止するまでに時間がかかり、現在のAVはその計算に苦労している。

 グッドイヤーはタイヤがその助けになると考えており、タイヤの種類やメーカーに関する情報に加え、車載カメラから取得した天候情報を利用して、特定の条件下でブレーキを踏むのにかかる時間を正確に予測する新技術の開発に取り組んでいる。

 クリス・ヘルセル上級副社長(国際業務担当)兼最高技術責任者(CTO)によると、同社のツールは、フロント/リアカメラといった車両の既存の情報源に加え、外部業者の気象情報を利用して道路状況を判断した上で、タイヤのモデルや年式を考慮し、車がある瞬間にどのくらいでブレーキをかけ始めるべきかを正確に予測する。

 路面摩擦を測定するグッドイヤーのセンサーをタイヤに埋め込めば、さらに正確な予測が可能になるが、そうした小型装置を信頼できる電源に接続するにはまだ課題があるという。

 運輸省道路交通安全局は2029年までに全車両にAEBシステムを搭載するよう義務付けており、同社はこの技術をAVメーカーだけでなく従来の自動車メーカーにも売り込みたいと考えている。