Monday, June 16, 2025 7:37 AM

VWの次世代EV、リビアン「R2」がベースに

 フォルクスワーゲン(VW)とEV新興リビアン(Rivian、カリフォルニア州)の合弁事業は、両社に大きな利点をもたらすと期待されている。VWはリビアンのゾーンアーキテクチャーとEVシステムへのアクセスを得る一方、リビアンは中型SUV「R2」を含む将来の製品開発のための資金と時間を確保している。

 ヤフー・ファイナンスによると、両社の合弁事業は、次世代のソフトウェア定義車両(SDV)プラットフォームを共同開発するのが目的。VWは、ソフトウェア部門カリアド(CARIAD)の開発遅れなどの問題でポルシェやアウディのEVモデル拡充が大幅に遅れており、リビアンとの提携でその巻き返しを図ろうとしている。

 リビアンの最高ソフトウェア責任者でVWとの合弁事業の共同責任者であるワッシム・ベンサイド氏によると、そのカギを握るのが、テスラの電動SUV「モデルY」と競合するリビアンの次期モデル「R2」で「VWの今後のEV製品を支えるプラットフォームになる」という。つまり、「R2」の技術スタックをVWグループの共通ソフトウェアとしてシュコダやアウディを含むVWブランドに導入し、各ブランドはユーザーインターフェイス(UI)、外観、乗り心地などで独自性を維持できるようにする。

 「R2」は、第2世代「R1」で使用したアーキテクチャーの進化形で、オリジナルの「R1」よりも生産準備が容易で効率的な上、技術面でも成熟度が高いとみられており、VWはこの技術を活用して小型EV「ID1」を含む今後のモデル展開を加速させる。

 リビアンは現在、製品ラインに高価な「R1」シリーズしかないため、販売拡大のためには「R2」を早期かつ予定通りに、目標の4万5000ドルで発売する必要がある。「R2」は2026年上半期の生産開始を予定している。