Monday, April 13, 2026 7:07 AM

EV電池、ニッケル系からLFPへ〜コスト・供給問題で移行加速

 電池材料の供給制約や価格高騰を受け、EV用電池の主流が、性能重視のニッケル系からコスト重視のリン酸鉄リチウム(LFP)電池へと移行しつつある。オートモーティブ・ニュースが伝えた。

 市場調査会社IDTechExは、電池材料の市場規模は2024年の204億ドルから2036年には1540億ドルに急拡大し、材料需要は2024年の700万トンから2200万トンへと3倍以上に増加すると予想。EV用のセル(単体電池)および電池パック材料の需要は2025〜36年に年平均11.8%のペースで拡大すると見ている。

 米国では、2025年9月に最大7500ドルのEV向け連邦税控除が終了した後、EV販売は一時的に減速した。しかし、新しい温室効果ガス排出規制を背景に欧米市場も2036年までには先行する中国に追い付くと見られている。ただし、従来型の電池に不可欠なリチウム、ニッケル、コバルトといった材料は供給に制約があり、採掘にも時間を要するため価格変動が激しい。

 こうした供給圧力が、ニッケル系電池からのシフトを加速させている。IDTechExは、2036年までにニッケルマンガンコバルト(NMC)系電池から、より低コストなLFP電池への移行が進むと予測している。ニッケル系電池はコストはかかるがエネルギー密度が高く、欧米では高級・長距離EVに採用されている。一方、中国ではLFPが広く普及しており、欧米の自動車メーカーも量販車へのLFP採用を検討している。

 国際エネルギー機関(IEA)によれば、LFP電池は2024年に世界のEV市場のほぼ半分を占め、2020年の1割未満から大きく拡大。中国では2024年に販売されたEVの約75%にLFP電池が使われている。欧州ではまだ約10%にとどまるが、独VWはエントリーモデルの約80%でLFPを採用する計画で、仏ルノーも大部分のモデルにLFPを導入してEVコストの削減を図る予定だ。