Tuesday, August 05, 2025 7:09 AM
ローム、高容量負荷向けIPD開発〜車の電子化を支援
ローム(京都市)は、自動車の照明、ドアロック、パワーウィンドウなどボディー系電子制御システムを過大な電力供給などから保護するIPD(高性能半導体スイッチ)「BV1HBxxxシリーズ」を開発し、オン抵抗値の異なる6種類で製品化した。全機種とも車載信頼性規格AEC-Q100に準拠し、高い信頼性を確保している。
自動運転やEVの進化に伴い、車の電子制御システムが高度化する中、機能安全の観点からシステム保護の重要性が高まり、自動車をゾーン単位でECU(電子制御ユニット)が管理する「ゾーンECU化」が進んでいる。ゾーンECUでは多数の負荷をIPDで一括制御する必要があるが、従来のIPDでは容量負荷の駆動能力が不足していた。
ロームによると、新製品は高い容量負荷でも作動し(容量負荷駆動能力)、ゾーンECUと出力負荷の接続部で性能を最大限に発揮する。また、独自の最新プロセス技術により、従来トレードオフ(一得一失)関係にあった低オン抵抗と高エネルギー(破壊)耐量の両立も実現した。これで駆動能力・オン抵抗・エネルギー耐量という三つの重要要素を高水準でバランス良く兼ね備えた製品に仕上がっており、安全性・効率性・信頼性に優れたシステム設計をサポートする。
さらに、業界最高水準の高精度(実力値:±5%)な電流センス機能を搭載しており、出力負荷へ接続するハーネス保護に効果を発揮する。
新製品は、2025年6月から月産20万個の体制で量産が始まっている。