Monday, September 22, 2025 7:18 AM

ウェイモ、シアトル市場に参入〜ロボタクシー展開はまだ

 アルファベット傘下の自動運転車(AV)開発事業ウェイモ(Waymo、カリフォルニア州)は、ワシントン州シアトルとコロラド州デンバーへの事業拡大を発表した。

◇当面は人間が同乗

 ウェイモは現在、カリフォルニア州サンフランシスコとロサンゼルス、アリゾナ州フェニックス、テキサス州オースティンで1500台以上の車両を保有し、ワシントン州では3年前にベルビューで数台の車両をテストしている。

 シアトル・タイムズによると、同社はシアトル地域で、ジャガーの電動SUV「I-Pace」と中国ジーカー(Zeekr)の電気自動車(EV)を使った公道実験を行う予定。ロボタクシー(自動運転タクシー)による移動サービスの展開はまだ先になる。

 ウェイモの広報担当者は、最初は人間のドライバーがハンドルを握り、その後徐々に自動運転モードへ移行するが、安全基準を満たすまでは人の同乗を続ける予定だと話した。車が人間の介入なしに市内を走り回れるようになるまでの具体的なタイムラインは設定していない。同社は安全を最優先に手続きを進めており「市場ごとに異なるが、各都市へ事業を拡大するにつれてプロセスはどんどん速くなっている」(広報)という。

 シアトル特有の課題について、ウェイモは9月上旬のブログ投稿で「悪名高い雨」を挙げている。同社は2022年の声明でも同様のコメントをしており、当時は「ベルビューでのテストは雨天での実地経験を得るのに役立つ」と説明していた。

 シアトルでは、アマゾン傘下の同業ズークス(Zoox、カリフォルニア州)も21年、台数は非公開ながらAVの公道実験を実施して悪天候下の走行データを収集している。GM傘下のクルーズも23年にシアトルでAVをテストしたことがあるが、24年にロボタクシー事業から撤退した。