Friday, December 05, 2025 6:53 AM

シェフラー、工場に人型ロボット導入へ〜ニューラと技術提携

 ドイツのシェフラーは、同国のロボット開発会社ニューラ・ロボティクス(Neura Robotics)と提携した。人型ロボットの主要部品を共同開発・供給する。

 オートモーティブ・ニュースによると、シェフラーはニューラのロボット向けに、遊星ギア式アクチュエイターを供給する。アクチュエイターはロボットの肩、肘、膝、手首など関節部分の回転運動に使われ、最大トルクは250ニュートンメートル(Nm)で、重量物を扱えるようにする。

 欧州の自動車業界は、米国の関税や弱い自動車需要、中国勢との競争激化などで圧力にさらされ、コスト削減やサプライチェーン(供給網)の再編、新たな成長分野の模索を迫られている。シェフラーも9月、2035年までにグループ売り上げの最大10%を防衛、電動垂直離着陸機(eVTOL)、人型ロボットといった新しい分野から得る計画を打ち出した。

 クラウス・ローゼンフェルトCEOによると、人型ロボットへの投資には、社内の効率化と、人工知能(AI)を活用した人型ロボットの新しい商機という二つの側面があるという。ニューラとの提携で重要なことの一つは、産業用ロボット向けの技術開発に向けたデータの共同収集と生産分析で、最先端のシステムにより、生産現場での動作やインタラクションデータを生成し、AIモデルの訓練に活用できる。

 シェフラーは24年11月、二足歩行ロボット「デジット」を開発するオレゴン州拠点のアジリティー・ロボティクス(Agility Robotics)に出資しており、35年までにアジリティ製の人型ロボットを世界各地の自社工場に大規模に導入する計画。メルセデス、BMW、アウディなどの自動車メーカーも、生産現場に人型ロボットを試験導入している。