Tuesday, December 09, 2025 6:44 AM
フォードのEV開発延期でサプライヤー同士が訴訟
フォードが次世代電動ピックアップトラック開発を延期した影響で、中国資本でティア1サプライヤーのネクスティア(Nexteer, Auburn Hills, MI)がティア2のスウォボダ(Swoboda、ドイツ)に訴えられている。
オートモーティブ・ニュースによると、スウォボダはフォードのフルサイズ電動ピックアップ開発(コードネームは「P800 TE1」)で使う円筒形ヘッダーをネクスティアに供給するため設備を整えていたが、フォードはプログラムを少なくとも28年まで延期した。スウォボダは、ネクスティアが「突然かつ一方的に」契約を取り消したとし、自社が被った約300万ドルの費用回収で、8月にネクスティアを提訴した。
ミシガン州オークランド郡巡回裁判所に出した訴状によると、スウォボダがネクスティアと供給契約を交わしたのは23年7月。ネクスティアは、契約に伴いスウォボダに多額の設備投資とエンジニアリングコストが必要になることを知っており、スウォボダが関連プログラムを受注できなかった場合は投じた費用を補償すると文書で約束していた。スウォボダは金型に140万ドル、製造装置に120万ドルを投じたが、ネクスティアからの補償は一切ないという。
ネクスティアが注文を取り消したのは契約締結から1年以上が過ぎた24年3月で、スウォボダは補償のための請求書を出したものの「説明なく拒否され」、同年6月に再度支払いを要求、さらに7月25日に最終要求を送り、その後訴訟に踏み切った。
ネクスティアは、ミシガン州サギノーに大型工場を持っている。米国ではEVの販売不振が深刻化しており、フォードやGMが需要を大きく読み誤った結果、多くのサプライヤーが設備投資を回収できず資金繰りに苦しむ事態に陥っている。特に売上高10億ドル未満のサプライヤーの多くは極めて厳しい状況にある。