Friday, October 28, 2016 10:14 AM

抑留犠牲者の遺骨焼失か 61柱分のDNA鑑定できず

 厚生労働省は28日、ロシアで実施している旧ソ連抑留中に犠牲になった日本兵などの遺骨収集作業中に、DNA鑑定の検体として採取した61柱分の歯を紛失したと発表した。たき火の中から焼けた一部が見つかっており、誤って焼失した可能性が高い。

 ロシア側からハバロフスク地方の埋葬地に日本人200人の遺骨があるとの名簿提供を受け収集を開始。計5回の作業で、情報より多い209柱を収集していたが、今回の61柱はDNA鑑定できず身元特定は不可能になった。厚労省は関係する遺族に紛失の事実を伝え、謝罪すると明らかにした。

 厚労省によると、日本から派遣された職員らが、10月11〜25日、現地で収集作業を実施。22日に埋葬地近くの野外で遺骨を燃やし、歯は日本に持ち帰ってDNA鑑定するため燃やさずに検体袋に入れていた。この袋が見つからなくなり、たき火の中から焼けた歯の一部が見つかった。(共同)