Monday, October 31, 2016 5:42 PM

大気汚染で乳児60万人死亡 ユニセフ、各国に対応促す

 国連児童基金(ユニセフ)は10月31日、大気汚染が原因とされる疾患によって世界で年間約60万人が5歳未満で死亡しているとする報告書を発表した。気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が11月7日からモロッコで始まるのを前に、各国に対応を促す狙いがある。

 報告書は、約20億人の子どもが微小粒子状物質「PM2.5」の世界保健機関(WHO)基準を超える地域で生活していると推計。そのうち約7人に1人に当たる約3億人が、PM2.5がWHO基準の6倍を超え大気汚染レベルが最悪とされる地域で暮らし、地域別では南アジアが約2億2千万人で圧倒的に多かった。

 ユニセフのレーク事務局長は「大気汚染物質は子どもの発達途中の肺を害するだけでなく、脳にも回復できない損傷を与えて将来を損なう恐れがある。胎児の成長に悪影響を及ぼす可能性もある」と警告、各国に対応を呼び掛けた。(共同)