Wednesday, November 02, 2016 10:58 AM

与党、TPP週内通過断念 農相進退で攻防激化

 政府、与党は2日、環太平洋連携協定(TPP)承認案の強行採決を巡る発言を「冗談」とした山本有二農相の1日の発言を受け、衆院TPP特別委員会の2日の採決を先送りした。野党が反発し、理解が得られないと判断した。4日の衆院本会議での採決もせず今週中の衆院通過を断念する方向だ。野党4党は山本氏更迭を要求。民進党は不信任決議案提出の検討に入った。自民党が、安倍晋三首相は辞任させない意向だと通告するなど、山本氏の進退を巡る与野党攻防が激化した。

 特別委の塩谷立委員長は4日の委員会開催を職権で決定。与党は野党の出方を見て採決の可否を判断する。民進党は「断固たる対応を取る」と抗議した。衆院議院運営委員会の佐藤勉委員長も地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の承認案などを採決する本会議の4日開会を職権で決めた。自民党幹部は「4日の特別委で採決しても、本会議に緊急上程しない」との見通しを示した。4日を見送った場合、8日の本会議採決を目指す。

 自民、民進両党国対委員長は断続的に会談したが物別れに終わった。首相は採決の遅れに関し「残念だ。しっかりやってもらいたい」と語った。(共同)