Wednesday, November 02, 2016 1:35 PM

自民、改憲論議本格化狙う 憲法公布から70年

 日本国憲法は3日、1946年の公布から70年を迎えた。安倍晋三首相の下での改憲に賛同する勢力が衆参両院で発議に必要な3分の2以上の議席を占めた後、初となる衆参の憲法審査会が今月中旬に開かれる。ただ今国会では自由討議などにとどまり、具体的な改憲項目絞り込みの議論は来年の通常国会以降へ持ち越される見通し。自民党が改憲論議の本格化を狙うのに対し、民進党は抵抗する構えで、与野党の駆け引きが続きそうだ。

 憲法公布70年を踏まえ、衆院憲法審は10、17両日に憲法の制定過程や立憲主義などをテーマに自由討議を実施する。参院憲法審も16日に憲法への認識を巡って討議する。実質的な議論は衆院が約1年5カ月ぶり、参院も約9カ月ぶりとなる。

 自民党は改憲を党是とするものの、直ちに項目絞り込みの議論を呼び掛ければ、野党の反発は必至とみて憲法審での議論再開を優先させた。党憲法改正推進本部では野党が批判する2012年の党改憲草案を国会に提出しない方針も打ち出した。草案を事実上棚上げすることで、民進党を改憲論議に引き込む狙いだ。(共同)