Wednesday, November 09, 2016 10:26 AM

PKO、中立維持困難に 紛争複雑化と赤十字委員長

 訪日中のペーター・マウラー赤十字国際委員会(ICRC)委員長は8日、陸上自衛隊が活動する南スーダンを含む各国の紛争が複雑化し、国連平和維持活動(PKO)の中立維持が困難になってきているとの見解を表明した。都内で共同通信の取材に答えた。

 約800人のICRCスタッフが活動する南スーダンの治安情勢に関しては「(武力衝突のような)暴力行為につながるリスクはある」との見方を示した。

 マウラー氏は、近年の紛争が複雑になってきた原因として、対立する当事者が増えていることを指摘。「現在のPKOの本質は必ずしも中立ではない」と述べた。この影響で、紛争当事者の中にPKOを敵視する勢力が生まれ、人道支援分野でも安全確保が難しくなっていると懸念した。(共同)